653. だれでも知っていることですが、小ヒツジは、小ヒツジのように振舞い、ヒツジはヒツジのように振舞う以外にはありません。それに反し、オオカミはオオカミのように、トラはトラのように振舞う以外はありません。皆いっしょにしてしまうと、オオカミは小ヒツジを襲い、トラはヒツジを食いつくします。羊飼いがいて番するのは、そのためです。
だれでも知っていることですが、おいしい水をわき出す泉は、その水源から、にがい水をわき出させることはありません。よい果樹が、悪い実をみのらせることもありません。またブドウの木が、トゲのようにささることはないし、百合(ゆり)の花がイバラと同じように傷つけることはないし、ヒアシンスがアザミのように、ちくりとくることもありません。むしろ有害な植物は、田畑やブドウ畑や庭園からひき抜いて集め、たばねて、火で焼いてしまいます。
主の〈みことば〉にもあるように、それと同じことが、霊界に入ってくる悪人にも起こります(マタイ13:30、ヨハネ15:6)。主はまた、ユダヤ人たちに言われました。
「マムシの子らよ、あなた方は、悪人でありながら、どうして善を口にすることができようか。・・・善人は、自分の心のよい倉から、善いものをとり出し、悪人は、自分の心の悪い倉から、悪いものをとり出す」(マタイ12:34、35)。


